伝統建物、茅葺(かやぶき)屋根の茅(かや)とは芒(すすき)で在る。

 「伝統建物、茅葺(かやぶき)屋根の茅(かや)とは芒(すすき)で在る。」 私は知らなかった。先日、北区の山間(やまあい)、元庄屋(もとしょうや)で格式高い伝統有る茅葺(かやぶき)のお宅を縁在(えんあ)って拝見(はいけん)させて頂き、足場からも茅葺屋根の葺替(ふきか)え修理の様子を見せて貰(もら)う。茅葺職人の親方からも興味深いお話を伺(うかがい)いました。茅葺の茅(かや)は芒(すすき)、其(そ)のもので在ると。古来より伊勢神宮、神社の本殿、宮城(きゅうじょう)(皇居)の屋根も茅で葺(ふ)かれる。茅は芒(すすき)の事で其の永遠の生命力が目出度(めでた)いと為(さ)れるのか。
 芒(すすき)は川原や野原一面に生(お)い繁(しげ)り、必ず毎年其処(そこ)に在り繰(く)り返す其の生命力が太古より深く日本人の心に沁(し)み込んだのか。例(たと)えば毎年、各神社で行われる「知恵の輪くぐり」の其れも芒の茅で造る。外(ほか)に目出度(めでた)いものと言えば、松竹梅(しょうちくばい)も在ります。是(これ)も生命力が強いと信じられ目出度いものと言われる。
 小生の自宅の庭に松が植(う)わって居(お)りますが、先月の二月に突然、作業場に梅の花が咲きました。松は初夏(しょか)に毎年、新しい枝が天に向って勢いよく伸びるのを見ますが、梅は新しい蔓(つる)の様な枝が沢山(たくさん)伸びます。私は知らずに邪魔(じゃま)なので切り揃(そろ)えました。其(そ)れが良かったのか目出度(めでた)い事だと喜(よろこ)んで居(お)ります。
 茅葺の茅、芒の其の生命力を信じ有難く古代より屋根に葺かれる。(上代)
           「自宅作業場に松と梅が咲いた。竹も植えようか。」