『骨肉の争いを呈(てい)する現実を前にして、』のお話。

 小生、やはり、吟詠家として生きて行こうと想う。詩吟を習い始めて既(すで)に、36有余年の時が経(た)ち、未だ為(な)せず道半(なか)ばの感が在ります。詩吟の教えに人生は自分に於(お)ける精神上、肉体上の戦い又、人に対する戦いの連続で在る、と言う。戦いで在る以上、負けでは無く勝たねば為らぬ。言い換えれば元気を出して之(これ)を克服せねば為ら無い。然(しか)るに戦いの武器は?刀か鉄砲か。決してそうでは無く『誠』こそ、唯一の武器。(天下の万機は一誠に帰す。)然し、人は自分中心の利己主義に陥(おちい)り易い、憎しみ、妬み、欲望に駆られ易い、『誠』は、言うに易く行なうに難し。修養を積む必要も在り、修養には色々の道が在り、小生はもう一つ倫理法人会に所属する、己(おのれ)に負け無い為にも日々実践と言われ、万象肯定、信成万事。
 詩吟は、人として最も大切な(誠の心)を養(やしな)う非常に効果的な道で在る。奥深い詩心を味わい、感激して詩を吟じることに依って真心を養う事に在る。翻(ひるがえ)っても、対人上に於いては、誠の心を以(もっ)て、感謝の心を以て感謝し謙虚な態度を以って、相交(あいまじ)わり自己の責任を果たす、と言う。私には磨いた声が在り、元気を出して克服、改(あらた)めて乗越えねば為らぬ、と言う心境で在る。(上代)
          淀み又、眩(くる)めく時の流れか。