『「寓話(ぐうわ)」兎と亀の駆けっこ競争の続き、のお話。』

 とある会の席上で、昔からよく耳にする『寓話』(教訓の意味を込めた例え話。)「兎(うさぎ)と亀の駆(か)けっこ競争、お話の続き、」を拝聴する機会を得た。昔ながらの亀が兎に勝ったお話では在るが以前から、其の続きのお話も在りて兎が再度、競争を申し込み当然ながら兎が勝ったと言う。しかし又、其の続きのお話が未だ在った。兎にも同情するが、亀には大変、気の毒な理不尽(りふじん)な話だと何時も想って居た。
 今度は、亀が兎に競争を申し込み再度、競争を行ったと言う。前回迄は、「あの、お山の頂(いただき)まで駆けっこ」で在ったが、今度は「あの、小島までの競泳」で在った。当然、亀の圧勝で終わる。お山の駆けっこは、兎のフィールドで在り、海の向こうの小島までは亀のフィールドで、亀の得意分野で在る。勝負は自(おのず)ずから決まって居るも同然で在ろう。想うに亀の仲間、家族からの言葉で相手のお山での勝負を避け、自分のフィールドでの勝負をすべきだとアドバイスを受けたで在ろう。兎の方とて勝てる勝負を提案したと想われる。
 要するに、自分の得意分野を多く持つか又、少なければ磨(みが)きを掛け、自分のフィールドに持ち込み立つ事が大事と言う。其の様なお話で在った。(上代)
            お話は、色々とテンポ良く、跳びます。