『今は、多様な生き方や行動が出来る様に為った社会と捉える』

 『今は、多様(たよう)な生き方や行動が出来る様に為(な)った社会と捉(とら)える』 今の実際の町づくりに付いて語(かた)るとすれば、住宅建築のトレンドは、自由な発想で己(おのれ)の住みたい住宅へと室内も外観も何の遠慮(えんりょ)も無く、注文をされる方(かた)が多い。其(そ)れも年配の女性の方から。例(たと)えば、若い時に山登り、ワンダーフォーゲル(山野(さんや)を歩いて旅行する青年運動)等の記憶が蘇(よみがえ)り自由な発想で家の新築等を希望されます。天井、和室は要(い)らない、間仕切(まじき)りも要らない。山小屋風で小屋裏を活(い)かして、照明もランプ風やランタンで在るとか、「赤い屋根で、」壁は板貼り平屋(ひらや)で良い。ドイツオーストリアスイスのチロル、アルプス地方の建物が載(の)っているカラー雑誌を渡(わた)されます。山小屋風建築に取り組み完成。気に入って頂(いただ)きましたが、只(ただ)、庭の松が主役で鎮座(ちんざ)し、建物のトユは青竹(あおだけ)風に懸(か)け和洋折衷(わようせっちゅう)に為(な)ります。然(しか)し、其(そ)れで景観上(けいかんじょう)どうなのかと言われれば、町に自然に溶(と)け込み良い景観(けいかん)と言える。要(よう)するに、景観とは「質観(しつかん)」で在り、最新、最高のものを造れば、良い街並(まちな)み景観と成り、いい加減(かげん)な事をすれば、いい加減なものを造れば失敗する。ハッキリと分(わ)かりました。「都市は理想を必要とする」人が多様な生き方行動が出来る様に為った社会で在ると。(上代)
           『動かされば、出会えず』