『言霊の力に依り、さいわいを恵まれて居る。』(20号文)

 日本は言霊(ことだま)のさきわう国、言霊の力に依って、幸(さいわい)いを恵まれて居ると言う。其れは、太古に発生した和歌の原形で、大自然の神々に捧(ささ)げた願いの歌より形成したと言われる。
 古(いにしえ)の紀元前一万一千年よりの縄文(じょうもん)時代。後期、旧石器時代の長い氷河期は終わり、人々は洞窟(どうくつ)や岩陰(いわかげ)から平地に住まう様に為った。始めはマンモスの毛皮でのテント式「オープン・サイト住居」。移動して空けば次に来た者が利用する。時は移り、是(これ)が竪穴(たてあな)住居の原型と成る。同じ円形で少し掘下げた。縄文時代には争(あらそ)いが無かったと言う。此のオープン・サイト住居の概念か。
 集落では人々の死に直面し、近辺に墓地が設(もう)けられ、埋葬(まいそう)の儀が成立する。其して、大自然の神々に捧げる言葉が自然と語られる様に為った。「和歌」が生じた理由の一つに、日本語のアクセントに在ると言われる。平板や頭高(あたまだか)、中高等で在るが、必ず第一音と第二音の音に高低が付きます。音階の上下の中に言霊を観(み)たと言う。日本語はアクセントの中に妙味(みょうみ)が在ると言われ、抑揚旋律(よくようせんりつ)なのか聴く者に伝わる。天皇家の歌会始にも其れは観られ冷泉家も言霊を護(まも)って居ると聴く。和歌の原形は音楽の「言霊」で在ろう。(上代)
            ほんまかいな、と言われますが、本当です。