「対、地震についての考察」 その2

 「スネーク・ダンス」とは、何ぞや。前方に揺れて真っ直ぐ進む自然現象の一ツ、波(地震波等)で在る。例えば、地面でロープを振れれば真っ直ぐ前へ綺麗に波打つ其れで在る。先端では、左右に激しく揺れるが、其の振れは手元の揺れが前方に伝わったものです。要するに8ノ字波。五重(三重)の塔には二ツの最大の秘密が有ります。其の一ツは、塔の中央を相輪までも貫く重要な心柱ですが、基本的に心柱は他の荷重を受けずに尖端の相輪を支えて逆に触れて、揺れを吸収する制震材体で在る。其の最大の秘密とは、心柱本体が最上層屋根上の相輪の根本部、路盤と呼ぶ四角い井桁下部のみで構造本体と繋がり実際には、心柱は吊られている。相輪は長い銅製の蛇腹で丸くしなって揺れを抑える。又、塔の重層構造とは、主荷重を受ける通柱が無く、上層の外壁側柱列を垂木上の柱盤が受けて天秤押さえの役目もする日本古来の平屋建、軟構造で在る。四天柱は第一層の四本の太い柱が上層に行くと斜めにやや傾き、そして細く成る。基本的に屋根や壁、垂木を尾垂木等で受けて柱盤も載せて上層側柱を受ける。しかし最上層に四天柱は無い。問題の相輪は青銅か銅製と思われ、三重塔の薬師寺で高さが9.5㍍在り重量は3.5㌧で可成り在る。(因みに東寺の五重塔が最も高く重い、相輪高も15.0㍍)そして尖端の細い第四心柱は13.6㍍と最も長い。この心柱が地震の時、ムチの様に振れて揺れを吸収する。軽い地震の時は下から各層が交互に左右に振れ上がる様子が何度も可視で確認されている。強い地震の時は尖端部の相輪が激しく逆に揺れて、軟構造の重層建築と相まって、心柱の制震作用が働き、塔の揺れを心柱が反転し抑えるので在る。正に対「スネーク・ダンス」で在る。もう一ツの最大秘密は、其の不思議とは、其れは、「その3」で。(上代)
               その3、に続く。
                 ↓↓↓