『五(三)重塔は何故大地震に倒れ無いのか不思議、其の③』 

 『五(三)重塔は何故大地震に倒れ無いのか不思議、其の③』 五(三)重塔は、幅の割に相当高さが在るので当然、引き抜きが生じて転倒する可能性は高いと思われるが何故か只、礎石の上に置いてあるだけで在る。一番の不思議な処でも在る。日本の伝統建築は本来、そうでは在るが礎盤、礎石、延べ石、玉石に載って居るだけです。然し小生、五(三)重塔全体の荷重を受ける柱は「四天柱」だと考えていたが、どうも外壁の側柱列の様で在る。
 と、言うのは現在、飛鳥時代から奈良時代初頭に建立され其の姿を止めて居る薬師寺東塔を参考に、以前には礎石をのみを残す状態で在った西塔を見事、復元された。其の以前復元された西塔の図面を見ますと四天柱では無くて、外壁の側壁柱列に礎石下に荷重補強鉄筋コンクリートで地中杭パイルが打ち込まれて居る。心柱の周りの四天柱が荷重を受けて居ると考えたのは大間違いで、外壁の屋根を支える側柱列が支えて居た。五(三)重塔は重層建築なので(屋根の奥の下地上で天秤状に垂木を押さえて、其の上で柱盤を敷いて、多層構造を構成して居る)外側壁柱が一番重い心柱を浮かせては全体のバランスを取り五(三)重塔は大地震にも倒れ無いのであろう。(上代)
           「現実は想った通りにしか、ならない」