『斗拱研究 其の⑨ 斗拱(ときょう)の無い仏教建築、大陸式建築とは』 大陸式建築とは何か。初めて屋根に重厚な檜皮(ひわだ)が葺(ふ)かれ、軒(のき)には飛燕垂木(ひえんだるき)が出現(しゅつげん)した。次に地垂木(じたるき)に野地板も張られ天井は無く、化粧軒裏(のきうら)が方形(ほうけい)の屋根全体を覆(おお)う。
正方形の基壇(きだん)の床に瓦のレンガタイルが貼(は)られ、中央に仏像が安置されて居た様だが仏像は無く、四方から拝(おが)める様に平屋で小規模。日本で最初の斗拱(ときょう)が無い古代の仏教建築で、現存する建物で建替えられては居るが法隆寺、食堂(じきどう)。
大陸式建築の平面は、モヤ(身舎)とヒサシ(庇)から成り骨組の造り方は一定の方式に従(したが)って前後左右対称(たいしょう)の低い基壇の建物で在る。中央に身舎(もや)、水平な基壇の各四方には狭い石段が設けて在る。主柱の入側柱(いりそくちゅう)と庇部(ひさしぶ)の側柱(そくちゅう)が囲(かこ)む。梁は身舎上に大虹梁(だいこうりょう)が架(かか)り、又首棹(さすざお)が棟木(むなぎ)を支(ささ)える。主柱の入側柱と外周の側柱には繋虹梁(つなぎこうりょう)が架かる。柱は全(すべ)て石の礎盤(そばん)上に建つ。
水平なレンガタイルの床で椅子(いす)が使用された。中央の仏像が祀(まつ)られて居た背面(はいめん)に桟材で組まれた壁が柱間に設けられて居る。基壇は低く四方の外周に、庇(ひさし)の雨水が垂れる溝が設けられて居て、外界と分ける。「古代、大陸式建築」とは、正方形で仏像を祀る重層(じゅうそう)の塔(五重ノ塔等)の一層部に近い。(上代)
又、又、突破口が見えて来た。