『受け継ぐものが在る事は、幸せな話で在る』

 『受け継ぐものが在る事は、幸せな話で在る』 今は市内に居を構えられる友人の先祖代々、美山の高台の茅葺旧邸宅を拝見いたしました。毎月欠かさず、カマドに火を入れ茅葺の屋根裏を燻し害虫から護って維持して居られる。去年も茅葺を葺き替える大工事をされ廃屋にせず維持は大変費用も掛かる。
 小生は伝統建築の専門家の端くれで、調査等も行います。特に茅葺屋根建築に興味が在り、実は茅葺屋根は紀元前一万一千年よりの縄文時代黎明期よりの円形竪穴式住居の草葺伏屋根が持ち上がったもので小生、何を隠そう竪穴式住居研究の第一人者を自負して居ります。伊勢神宮に代表される、千木や鰹木も竪穴式住居から生じる。外に数奇屋建築、茶室建築の躙口や下地窓も竪穴式住居出入り口部と周堤土塁に埋める水甕の横、流し台に当たる石皿、石包丁で磨り潰し水で砂を流して食す、砂との戦いで在った。出土する頭部の歯は全て擦り減って居る。排水口の小窓は「東雲」日本最初の小さな窓は排水口で在った、漢字の日の字は窓を表し篠竹組み篠の目で、在る。「東雲」は窓を現し、地平線に東の雲が紫色に染まるのを葦簾に靠れ、夜が明けて安堵し迎えた。今も日本人の奥底に綿々と沁み付いて居る。(上代)
           「目標は段階的に立てる」