『まいまい掘り研究 其の③』「神の湧水」

 『まいまい掘り研究 其の③』「神の湧水」 「日本では古来より、湧水に神が宿ると信じられて来ました。京都市右京区太秦の「蚕の社」水の神を祀り、珍しい三角鳥居が立つ「元糺の池」に1,300年以上前から澄んだ湧水が出て居たと伝うが20年前に突然枯れた。左京区の鴨川と高野川の合流の下鴨神社でも1943年頃、神事の要となる「御手洗の水」の湧水が絶えた。鴨川が氾濫し川底を掘り下げる大改修が行われて居る最中に途絶える。
 此の「蚕の社」の石製三柱鳥居は嵯峨野一帯が古墳時代(300~538年)に大陸より渡来する製陶、養蚕、機織等に優れた技術を持って居た秦氏の勢力範囲で本殿横の東側に織物の祖神を祀る養蚕神社も在る。此の神社は古くより雨乞いの神として平安時代に信仰が篤く参詣の人も多かったと伝う。石製三柱鳥居は三方を双ヶ丘の古墳群、松尾大社、伏見稲荷大社に向いて居ると言う。「元糺の池」は地面がむき出しに為って元湧水の石積みに御幣は立てられて居る。石積みが『まいまい積み』に成って居るのが大変興味深い。
 各地の元湧水処で数々の神事が行われて来た。聖成る水の湧く場所に神社や寺を建て、水の係る祭祀を定期的に催して居た遺構も確認出来る。(上代)
           「やられたら、やり返す」は、最強の戦略か。