『祝詞(のりと)、口遊(くちづさみ)とは何か』

『祝詞(のりと)、口遊(くちづさみ)とは何か』 神官(しんかん)の唱(とな)える祝詞(のりと)は遥(はる)か万葉(まんにょう)(奈良末期)約1300年前より変わらず執(と)り行(おこな)われて居る。神へ奉(たてまつ)りお願(ねが)いを申(もう)し上げます『掛(か)けまくも畏(かしこ)き申(もう)す』お祭を此の様にして居ります誠(まこと)に恐(おそ)れ入りますがお声をお掛(か)け致しますと。祝詞は必ず誉(ほ)め言葉でお願いを述(の)べると言う。
神々の美しさ、大自然、自然現象の美しさを讃(たた)える言葉が「和歌(わか)」の原型と成った。祝詞は元々(もともと)、皆(みな)々が神への願いを口遊(くちづさ)んで居たのが、縄文(じょうもん)時代に堀立柱式(ほったてばしらしき)祭殿建築様式が出来、神官が祝詞を唱えた。弥生(やよい)時代には大陸文化も伝わり祖霊信仰(それいしんこう)等や古墳(こふん)時代(300年~)に文字(漢字)数学も導入されて行く。古代中国の漢字が日本の文字として取り入れられ、表音(ひょうおん)文字、其(そ)して表意(ひょうい)文字として整備されて行く。古代の役人にとって読み書きと九九(くく)は必須(ひっすう)で奈良時代には中国式の教科書が広く使われて居た。紀元前後の漢(かん)の時代成立した算術書「孫子算経(そんしさんぎょう)」にも九九が記(しる)されて居る。日本最古、数学の教科書「口遊(くちづさみ)」は平安時代中期に既(すで)に日本式で普及(ふきゅう)した。因(ちな)みに当時、九九は現在と逆に上から九九(くく)八十一、八九(はっく)七二と口遊(くちづさみ)で憶(おぼ)えた。口遊風習は太古より根付(ねづ)き神の美(び)を讃(たた)える和歌と力(ちから)を合(あ)わせるのが音頭(おんど)で在る。 (上代)
「歴史を遡(さかのほ)れば、観えて来る」