先ず型を造りて後に型破。型を創れ無いのは型無と言う。

 『先(ま)ず型(かた)を造りて後(のち)に型破(かたやぶり)。型を創(つく)れ無いのは型無(かたなし)と言う』 守(しゅ)・破(は)・離(り)、と同義語(どうぎご)で在り、様々(さまざま)な芸道武道等々(げいどうぶどうとうとう)、仕事に於(お)いても通(つう)ずるもので在ろう。先(ま)ずは基本を体得(たいとく)し、己(おのれ)の目指(めざ)す方向性が観(み)えれば基本形を壊(こわ)し組立直(くみたてなお)す。
 己の少し違(ちが)った型を創(つく)り上げて行く。どの様な道(どう)、(みち)も同じ処(ところ)に留(とど)まっては進境地(しんきょうち)に入れるもので無い。道(どう)、(みち)と呼(よ)ばれる其(そ)れは、道(みち)を歩(あゆ)むが如(ごと)く日々(ひび)、変化し止(とど)まって居ない。当然、易不易(えきふえき)は在るが。守・破・離、要(よう)するに、先(ま)ずは基本形から入り基本道理から己の色合いを出して行き、己の信じる様式(ようしき)へ移行(いこう)し基本形とは違(ちが)った次元(じげん)へと高め、完成させて行く。
 例(たと)えば、ハガキ道(どう)と呼(よ)ぶ(みち)も在るらしく、お世話に成った方やご縁(えん)を頂(いただ)いた方にハガキを差し上げる習慣を指(さ)すのだが「道(どう)」と呼ぶからには、ハガキを出す習慣が身に付けば、次に直(す)ぐ書きて直ぐ届け感動を頂ける様、内容も磨(みが)く。最終的には何も考えずも、想い道理に其(そ)れが出来る事で在ろうか。
 小生(しょうせい)、詩吟道(しぎんどう)にのめり込んで居ります。漸(ようや)く40年近く掛(か)かって己(おのれ)の型(かた)が出来上がりました。(少々長過ぎる)然(しか)し、道半(みちなか)ばの感も在ります。何故(なぜ)かと言えば、要するに考え無くても何時(いつ)でも出来る様に為(な)る事で在る。(上代)
          「元気、遣る気、勇気」此の三気が在れば何でも叶う。