住宅は数寄屋造建築様式と武家屋敷風建築に分けられる。

 『住宅は数寄屋(すきや)造建築様式と武家屋敷風建築に分(わ)けられる。』 住宅の建築を設計施工で依頼されますと先(ま)ず、プランニング・スケッチを画(えが)き「計画」がスタートします。小生は、数寄屋(すきや)建築を得意にして居りますので数寄屋建築風を勧(すすめ)めます。然(しか)し、満足されても住(す)まわれて二~三年後に床柱(とこばしら)がどうだ、天井高は高い方が良いとか言われる場合が在る。其(そ)の時、こちらの施主(せしゅ)様は数寄屋建築よりも武家屋敷風住宅の方が好(この)みで在ったと後(あと)から気付きます。
 数寄屋建築とは、万葉(まんにょう)(奈良末期~平安時代)より貴族の嗜(たしな)みとして神々、大自然自然現象の美しさを讃(たた)える古来よりの和歌(わか)を貴族達が詠(よ)み較(くら)べた離(はな)れの風流な建物で在った。外(ほか)には漢詩(かんし)を認(したた)む知識と物語を覚(おぼ)える嗜(たしな)みも在る。
 数寄屋建築は後(のち)に枝分(えだわ)かれとして、茶の湯の流行、茶道の発展に依り「侘(わび)」「寂(さび)」の茶室建築も生まれた。数寄屋建築が雅(みやび)やかさを追求し、茶室建築は人の世の侘(わ)びしさ寂(さび)しさを追求す。太古(たいこ)の竪穴式(たてあなしき)住居にて心の隅(すみ)に焼き付き、呼(よ)び起こす託(たく)された想いと言える様なものを大切に、伝統様式を護(まも)って居る。
 数寄屋建築は、お金は有っても無い様に見せる優越感(ゆうえつかん)を醸(かも)し出す様なもの。武家屋敷建築はお金が無かっても有る様に見せる住宅建築で在ろう。(上代)
           和風住宅建築様式は、二つに分かれる。