『小生、竪穴式住居研究の第一人者を自負して居ります。』

 私は良い指導者に恵まれて居ります。古代史、竪穴式(たてあなしき)住居に興味が在り調べて想いに耽(ふけ)り、遡(さかのぼ)ります。私、六十歳で竪穴式住居研究の第一人者を自負(じふ)するに到り少し衆知(しゅうち)される。古代建築史を専門として居ります。何故(なぜ)か、と言いますのは現、京都工芸繊維大学の中村昌生名誉教授に直接教(おそ)わりて深い感銘を受けました。
 普通科高校を一年で中退し、全日制三年間の建築の専門学校に入りました。其(そ)の専門学校は『不思議な学校』で全日制を新たに新設し、努力されて有名な先生方を招請(しょうせい)されたと聞く。テレビでも観た事の在る、京都大の相原教授を初め、京大の定年の先生方が居られた。歴史の外(ほか)、構造計算でもお世話に成りました安嶋先生が居られて何(いず)れ、そろばんと計算尺で行って居た計算も、図面書きも全てを、機械が行うと聴かされ教わりました。卒業後、間も無く、お宅に伺(うかが)いますと、其れは驚きました。恰(あたか)も、印刷工場の様で約1.5㍍四方の機械が、基礎上で唸(うな)りを上げて、ロボットアーム先端の印字体の塊(かたまり)が数字記号を打ち出し動く。是(これ)があの「コンピューター」なのか。電々公社のデーモスと言う。後、普及。京都建築専門学校には感謝して居ります。(上代)
            お話は、行きつ戻りつ、致します。