『私の歴史考察の根本は昔習った教科書の建築歴史です。』

 小生、歴史を調べる時には今でも40年以上前に習った建築歴史の教科書を取り出し見て居ります。現、京都工芸繊維大学名誉教授、中村昌生先生に習った教科書です。此の教科書は優(すぐ)れた本で分かり易く書いて在り、何よりも信頼できる本です。
 例えば、武士とは何ぞや、と調べる時に小論文を纏(まと)める等に参考にします。平安時代後半頃から其の後の「武士」と呼ばれる人々が生じた。京の都を離れた田舎には、国家の役人で在る、国司(こくし)(税物等を徴収他)や都から遣って来た役人が住み着いて自分達の土地を持ち其れを農民に耕(たがや)させて生活すると言う様な事が多く為った。又、農民の中に勢力の在る地主が現れ、多くの農民を下に従(したが)える様に為って行った。詰まり、土地の私有が始まった。此の様な私有の土地を「荘園(しょうえん)」と伝う。地方の豪族や地主、或いは中央の貴族の荘園の管理人(荘官)等は、自分の土地の治安や権利を守る為に兵力を養(やしな)った。武士と呼ばれる人々は詰まり、地方の地主階級で在った。農村に住み、寝殿造りの影響が強い住まいの暮らし。田舎の豪族や領主は其の武力を養いつつ、源平(げんぺい)争乱の時代を経(へ)て、次の時代の支配者と成って行った。(上代)
 古(いにしえ)に戻り、又、溯(さかのぼ)る。