『謎に迫れるか、「平安遷都造営」のお話』 其の7

 平安京造営を探るキーワードの三つ目は、「都市計画」をより機能させる為、設けられた省庁、役人の「有司百官(ゆうじひゃっかん)」で在る。仏教偏重の反省から、国民総て、現世での幸福長寿を願い、国家繁栄と永遠なる新城都の為に産業育成が重要で在った。「都市計画」の求める所は機能する都市、最終的に、「運命共同体」で在ろう。
 古代中国、理想城都の文献(ぶんけん)を実現した藤原京は、天智天皇よりの夢を実現したが、只の机上(きじょう)の理想で機能せず16年で廃都。中国、長安の都を真似た平城京は風土が違い廃棄物の処理等に悩まされ74年で廃都。10年で廃都された長岡京は地形的に欠陥が在り、2度の洪水にも見舞われ機能せず廃都。
 平安遷都の「都市計画」は廃都を重ねた反省から地形や流通、環境等廃棄処理に注意、そして都市機能「産業振興」が行なわれた。其の為にも平安京、庶民の良い住居、長屋が(土間住まいから床上生活へ)公共事業として整備された。「有司百官」は織部司(おりべつかさ)、指物司(さしものつかさ)、大工の番匠司(ばんしょうつかさ)等百官(ひゃっかん)を設け、産業振興をも成功、庶民全て現世での幸福と長寿を願う為「道教」、神仙思想根底に神道在り、故に「平安京」は千年の都に成り得たので在ろう。(上代)
               其の8、に続く。
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