目出度い(めでたい)もの木遣り音頭のお話。(2号文)

『木遣り音頭(きやりおんど)と釿始め(ちょうなはじめ)』は京都市の「無形民俗文化財」に指定されて居る。毎年正月の二日の朝に広隆寺に於いて番匠(ばんしょう)儀式を行い建築工事に携わる大工の仕事始めと致します。其れは、釿始めの儀と称す華麗な儀式で在ります。棟木(むなぎ)を担ぎ出、雅楽を先頭に木遣り音頭が続き、古式豊かな装束姿と共に、神聖厳かに本殿前にて釿始めの儀が執り行われます。飛鳥時代、聖徳太子が道具等考案と伝えられる。是非ご覧在れ。
私は工務店二代目で子供の頃、体験して居る上棟式での木遣り音頭を唱いて、正座して待つ自宅迄、練り歩いて玄関にて打ち込む風習の様子も、保存会の一員として伝えたいと思います。木遣り音頭は無事を祈り又、目出度いもの。
木遣り音頭の原形は、第51代、嵯峨天皇の時代より伝う。天皇は官寺で国家鎮護を担う東寺を空海に与える。826年、大日如来を象る五重塔着工時、朝廷や役所省庁などに対して材木運搬の協力を仰いだ。其の結果、二千四百九十人の人夫が動員され、二十本近い巨木が東山より密教(神仏習合)の東寺境内に運び込まれた。この時、力を合わせる為に唱われた木曳き音頭(きびきおんど)が上棟式時の木遣り音頭に変化以後、寺院建築時に唱い継がれた。空海に依る東寺造営時の木曳き音頭が木遣り音頭の始まりで在ろう。(上代)
TOPICSな、お話は、まだまだ続きま~す!